社の製品キャラクターを3D化してみた!〜AIの力で「カゲマル」が動き出すまで〜
2025-05-19 勉強会

こんにちは、デザインユニットの大瀬です。
今回は、我らがリード管理ツール「サスケ」の公式AIキャラクター「カゲマル」を3Dキャラクター化し、アニメーションまでさせてみた!というお話です。
「2Dの可愛いカゲマル、3Dになったらどうなるの?」
「AIで3D化ってどうやるの?」
そんな声にお応えして(誰も言ってない)、試してみました。
今回は、我らがリード管理ツール「サスケ」の公式AIキャラクター「カゲマル」を3Dキャラクター化し、アニメーションまでさせてみた!というお話です。
「2Dの可愛いカゲマル、3Dになったらどうなるの?」
「AIで3D化ってどうやるの?」
そんな声にお応えして(誰も言ってない)、試してみました。
カゲマルって?
まず簡単に紹介すると、カゲマルは「サスケ」のサポート・アシスタントAIキャラ。普段はWebサイトやLPで2Dイラストとして登場しています。
忍者風でちょっとゆるくて、でもしっかり者。営業の悩みにひょっこり現れる、頼れる(?)存在です。
今回の挑戦テーマ
・カゲマルの2Dイラストから3Dモデルを自動生成
・生成された3Dモデルをアニメーションさせる
・専門知識なしでも実現可能なワークフローを試す
・生成された3Dモデルをアニメーションさせる
・専門知識なしでも実現可能なワークフローを試す
試したツール①:Stable Fast 3D
最初に使ってみたのは「Stable Fast 3D」。
画像をアップロードすると、AIが3Dモデルを生成してくれる便利なWebツールです。
ツール名 | 用途 | 特徴 |
---|---|---|
Stable Fast 3D | 2D→3D変換 | 2D画像から自動で3D化 |
Stable Fast 3Dを使った流れ

Step 1:2Dイラストを用意
カゲマルの2D画像(PNG、JPG)を用意します。全身が入っているシンプルな構図が◎。

Step 2:Stable Fast 3Dにアップロード
画像をアップすると、「Remove Background」というボタンが表示され背景を消してモデルを切り抜くことができます(複雑な背景は上手く切り抜かれないかも)。

Step 3:3Dに変換開始
背景の切り抜きが終わると表示される「Run」ボタンをクリックすると、クラウド側で自動的に3D変換が開始。なんとわずか数秒でモデルが完成し、自動生成された3Dモデルのプレビューが確認できます。
こちらがStable Fast 3Dで生成したモデル…

…ってな、なんじゃこりゃー。
うーん……なんとも言えないこの仕上がり。一見それっぽいですが、以下の問題点が、、
・顔のパーツが崩壊(目が怖い)
・忍者フード?(頭)の形もつぶれてしまっている
・全体的に陶器のような質感
しかし、オプションを以下のように設定したところ、多少クオリティに変化が!
うーん……なんとも言えないこの仕上がり。一見それっぽいですが、以下の問題点が、、
・顔のパーツが崩壊(目が怖い)
・忍者フード?(頭)の形もつぶれてしまっている
・全体的に陶器のような質感
しかし、オプションを以下のように設定したところ、多少クオリティに変化が!

■Foreground Ratio(フォアグラウンド レイシオ)
モデル化する形状が画面中で占める割合。大きくすると余白部分が減り、モデルの品質も改善される。
■Remeshing(リメッシング、またはリメッシュ)
3Dモデルの表面を構成する多角形の網目(メッシュ)を、より良い形状や品質に再構築することです。None(なし)・Triangle(三角形)・Quad(四角形)
■Target Vertex Count(ターゲット バーテックス カウント)
3Dモデルを構成する頂点の数(ポリゴン数)のうち、目標とする数。
ポリゴン数が多いほど、モデルの表面が滑らかになり、リアルに見えますが、それだけ処理に必要な計算量が増えます。
■Texture Size(テクスチャー サイズ)
幅(横方向)と高さ(縦方向)、奥行(奥行方向)のピクセル数を指します。
モデル化する形状が画面中で占める割合。大きくすると余白部分が減り、モデルの品質も改善される。
■Remeshing(リメッシング、またはリメッシュ)
3Dモデルの表面を構成する多角形の網目(メッシュ)を、より良い形状や品質に再構築することです。None(なし)・Triangle(三角形)・Quad(四角形)
■Target Vertex Count(ターゲット バーテックス カウント)
3Dモデルを構成する頂点の数(ポリゴン数)のうち、目標とする数。
ポリゴン数が多いほど、モデルの表面が滑らかになり、リアルに見えますが、それだけ処理に必要な計算量が増えます。
■Texture Size(テクスチャー サイズ)
幅(横方向)と高さ(縦方向)、奥行(奥行方向)のピクセル数を指します。
Stable Fast 3Dオプション調整後

1回目と比べるとかなり改善された仕上がりに!
全体的なバランスがある程度整ってきて元のイメージに近づいた感じですが…やはり陶器や紙粘土風の質感が抜けず、トータルで見るとまだまだ荒い印象でした。何度かトライしましたがStable Fast 3Dではこれ以上クオリティは見込めず、ここで断念しました。
Stable Fast 3Dを実際に使ってみた印象
正面の2D画像1枚からの3D化という点ではすごい技術ですが、 ただ…
・出力されたモデルのディテールが全体的に荒い
・ポーズやアニメーションには非対応
という結果に。
このツールでは元画像の構造やディテールが複雑なキャラには不向きなのかもしれません(カゲマルはそこまで複雑では無いと思うのですが)。
2D→3D変換はできるが、“その先”が厳しいという印象でした。
・出力されたモデルのディテールが全体的に荒い
・ポーズやアニメーションには非対応
という結果に。
このツールでは元画像の構造やディテールが複雑なキャラには不向きなのかもしれません(カゲマルはそこまで複雑では無いと思うのですが)。
2D→3D変換はできるが、“その先”が厳しいという印象でした。
試したツール②:【再挑戦】Tripo AIで「そこそこ」成功!
失敗から学んでたどり着いたのが、今回の本命ツール、「Tripo」。
※Youtubeなどで検索したところ良さげだったのでこちらを選択しました。
Tripoの特徴はなんといっても、 2D画像をアップロードするだけで、3Dモデル+動きまで生成してくれるところ。
ツール名 | 用途 | 特徴 |
---|---|---|
Tripo AI | 2D画像からの3D+アニメーション自動生成 | ワンクリックで3D化+モーション追加可能。クオリティもまずまず。 |
Tripoの特徴はなんといっても、 2D画像をアップロードするだけで、3Dモデル+動きまで生成してくれるところ。
Tripo AIを使った流れ
Step 1:2Dイラストの準備
カゲマルの背景透過PNGを用意します。Stable Fast 3D同様。

Step 2:Tripo AIにアップロード
画像をアップすると、クラウド側で自動的に3D変換が開始。1〜2分程度でモデルが完成します。



Step 3:オプションでアニメーションを追加
モデルを生成後にアセットからアニメーションをつけることが可能です。
Step 4:ダウンロードして活用
GLB形式で3Dモデルをダウンロード可能なので。3Dツールにインポートし編集することができます。
実際にできた3Dカゲマルがこちら



何度か生成し直した、最終的な3Dモデルがこちらです。
アニメーション付きで、割と自然な動きをしてくれるカゲマル。 何より、一切モデリングやボーン設定をしていないことが驚きです!
アニメーション付きで、割と自然な動きをしてくれるカゲマル。 何より、一切モデリングやボーン設定をしていないことが驚きです!
実際に使ってみた印象は?
Stable Fast 3Dと比べれば、圧倒的に自然な仕上がり。
特に、顔のバランスや輪郭、衣装の立体感などは明らかに向上しました。
・全体的なバランスは良く若干の調整でそのまま使えそう
・テクスチャの細部はやや甘くディテールやカラーの調整が必要そう
・「歩く・走る」「ジャンプ」などの簡易モーション付きで、見栄えはしっかり
という印象です。
とはいえ、完全無料でここまでやれるのは正直すごい。
個人的には「及第点」といえる出来栄えでした。
特に、顔のバランスや輪郭、衣装の立体感などは明らかに向上しました。
・全体的なバランスは良く若干の調整でそのまま使えそう
・テクスチャの細部はやや甘くディテールやカラーの調整が必要そう
・「歩く・走る」「ジャンプ」などの簡易モーション付きで、見栄えはしっかり
という印象です。
とはいえ、完全無料でここまでやれるのは正直すごい。
個人的には「及第点」といえる出来栄えでした。
Tripo AIの強み:3D編集のベースデータとして使える!
Tripo AIで生成されたモデルは、GLB形式でダウンロードでき、Blenderなどの3Dツールで読み込み可能です。
つまり…
「完全自動の生成結果をそのまま使う」だけでなく、
「手動編集のベース素材として活用」することで、
作業の手間と工数をぐっと減らせる。
今回のプロジェクトを通じて、Tripo AIは「3Dのはじめの一歩」として非常に使えるツールだと実感しました。
つまり…
「完全自動の生成結果をそのまま使う」だけでなく、
「手動編集のベース素材として活用」することで、
作業の手間と工数をぐっと減らせる。
今回のプロジェクトを通じて、Tripo AIは「3Dのはじめの一歩」として非常に使えるツールだと実感しました。
結論:AI × 手動調整のハイブリッドがベストかも
・「すべてをAIに任せる」のは現時点では難しい
・でも「AIでベースを作って、あとから仕上げる」という形なら、 3Dモデル作成の過程を短縮することが可能
あくまでベースとして活用し、Blenderでモデルを作成できれば、展示会・動画・プレゼン資料にも十分耐えうるクオリティに仕上げられそうです。
・でも「AIでベースを作って、あとから仕上げる」という形なら、 3Dモデル作成の過程を短縮することが可能
あくまでベースとして活用し、Blenderでモデルを作成できれば、展示会・動画・プレゼン資料にも十分耐えうるクオリティに仕上げられそうです。
今後の活用アイデア
・AIツールで2D→3D変換 → Blenderで作成 → Mixamo等で細かいアニメ追加
・製品キャラだけでなく、サービスアイコンやUIキャラにも応用
・営業資料、LP、動画マニュアルなど、多方面での活用が可能
・製品キャラだけでなく、サービスアイコンやUIキャラにも応用
・営業資料、LP、動画マニュアルなど、多方面での活用が可能
おわりに
3Dは専門の領域…と思いがちですが、今はAIと無料ツールの組み合わせで誰でも簡単に始められることがわかりました!
補足資料(配布用)
使用した各ツールのリンク一覧
■Stable Fast 3D
https://huggingface.co/spaces/stabilityai/stable-fast-3d
デモサイトなので無料
■Tripo AI for Web
https://www.tripo3d.ai/app/home
Tripo AIは無料で利用できます。登録すると600クレジットが自動で付与されます。3D生成やアニメーション適用の際にはこのクレジットが必要となります。今回は無料トライアル中で2D→3Dは0クレジットで出来ました(5点まで)。アニメーションは10クレジットくらいで追加できました。 さらに、この600クレジットは毎月リセットされるため、この範囲であれば翌月以降も継続して無料で利用することができるようです。
■カゲマル3Dプレビュー(GLBファイル)
https://drive.google.com/drive/folders/1tCEFpk-Mkg1pVqBj0YgtljtPfOPxNjlu?usp=drive_link
・glTF Viewer
https://gltf-viewer.donmccurdy.com/
Webブラウザ上でGLBファイルをドラッグ&ドロップするだけで確認できます
■Stable Fast 3D
https://huggingface.co/spaces/stabilityai/stable-fast-3d
デモサイトなので無料
■Tripo AI for Web
https://www.tripo3d.ai/app/home
Tripo AIは無料で利用できます。登録すると600クレジットが自動で付与されます。3D生成やアニメーション適用の際にはこのクレジットが必要となります。今回は無料トライアル中で2D→3Dは0クレジットで出来ました(5点まで)。アニメーションは10クレジットくらいで追加できました。 さらに、この600クレジットは毎月リセットされるため、この範囲であれば翌月以降も継続して無料で利用することができるようです。
■カゲマル3Dプレビュー(GLBファイル)
https://drive.google.com/drive/folders/1tCEFpk-Mkg1pVqBj0YgtljtPfOPxNjlu?usp=drive_link
・glTF Viewer
https://gltf-viewer.donmccurdy.com/
Webブラウザ上でGLBファイルをドラッグ&ドロップするだけで確認できます